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DX人材育成の成功へ何から始めればいいのか?具体的なチェック項目と実行手順

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一般社団法人コミュニケーションマイスター協会理事/ 元早稲田大学非常勤講師/ CU代表  これまで大手企業や大学などで、ロジカル・コミュニケーション、対人対応、ビジネス英語、ライティング研修などを約5000人に指導してきた。
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DXの必要性は理解しているものの「DX人材」が曖昧で、何をすべきか具体的にわからないと感じている担当者は少なくありません。

この記事では、実践できそうなチェック項目を通して、DX人材育成をどう始めるかを解説します。

これで
・社内でのDX化の現状を把握できる
・DX人材育成のイメージがわき、初めの一歩が踏み出せる
・DX化の取り組みの効果測定ができる
などDXに向けて具体的に「何から始めたらいいのか」を明確にできるようになるでしょう。

ステップ1:DXの目的とビジョンの明確化

目的やビジョンが曖昧なままでは、社員の理解や共感を得ることが難しくなります。

ですから、社員に目的を明確に示し、理解してもらうために以下の項目をできているか否かチェックしてみましょう。

チェック項目1:DXの具体的な目的が定義されているか

ポイント→ 経営戦略と整合性がとれているか、あるいはDX人材育成での目的も立てた方が良いでしょう。

チェック項目2:DXビジョンが全社員に共有されているか

ポイント→ 全体の会議や会合などで作成した目的を示す。また、定期的に目に触れ、意識ができるように共有していきます。

チェック項目3:目的達成に向けた目標やKPIが設定されているか

ポイント→ 実際にDX化、DX人材育成ができているか否かは目標数値を立てて、測定いくことが不可欠です。

利益以外にもコスト削減も当然ながら数値目標になりますので、明確な目標を立てましょう。

KPIの例:

コスト削減率:業務プロセスの効率化による
DXを通じて業務プロセスを自動化・最適化し、労働時間や人件費の削減を図ります。


たとえば、「主要業務の処理時間を30%短縮し、人件費を15%削減する」といった具体的な数値目標を設定します。

新規顧客獲得数増加:増加率を計測、分析する
デジタルマーケティングやデータ分析を活用して、新規顧客の獲得を促進します。
たとえば、「DX施策により、四半期ごとの新規顧客獲得数を20%増加させる」という目標が考えられます。

売り上げ増加:eコマースやオンラインサービスの強化を通じて、デジタルチャネルからの売上を拡大します。
たとえば、「DX推進によるオンライン売上を前年比30%増加させる」というKPIを設定します。

顧客サポートコスト削減:
チャットボットやAIを活用して顧客サポートの自動化を進め、サポート業務のコストを削減します。
具体的には、「AIサポート導入により、顧客サポートコストを20%削減する」というKPIを設けることができます。

以上の例のような具体的な目標数値を立てるようにしましょう。

ステップ2:スキルギャップの分析と必要スキルの特定


DXに必要なスキルが具体的にわからないと、どこに力を入れるべきか判断できません。
ですから、まずは現状のスキルを把握し、DXに必要なスキルを特定します。

チェック項目1:社員のデジタルリテラシーのレベルを確認しているか

ポイント→例えば、一般の社員向け基礎のレベル・中級レベル・専門レベルなどに分けて、どのレベルにあるかを把握します。それぞれのレベルの具体例を挙げます。

基礎レベル
データの基本的な扱い方:

ExcelやGoogle Sheetsを使って、基本的なデータの整理・集計・グラフ化ができること。

これにより、社員はデータを基にした報告書の作成や、日常業務でのデータ分析に役立てることができます。


データリテラシー
データの読み方や解釈:

ビジネス課題に基づいてデータの傾向やパターンを理解する力。

特に、平均値や中央値、標準偏差といった基本的な統計の概念を知っているとよいでしょう。

デジタルツールの活用:

ビジネスアプリの利用スキル
チャットツール(Slack、Microsoft Teamsなど)やプロジェクト管理ツール(Trello、Asanaなど)の基本的な操作方法を学び、リモートワークやオンラインコラボレーションのスキルを身に付ける。


クラウドストレージの利用
Google DriveやOneDriveなどのクラウドストレージの使用方法を理解し、データ共有や共同編集ができるようにします。これにより、データの保管とアクセスの利便性が向上します

データセキュリティの基礎知識

基本的なサイバーセキュリティ対策
安全なパスワードの管理、フィッシング詐欺の防止、端末のウイルス対策など、日常業務で実践すべき基本的なセキュリティ対策を理解しておくことが大切です。


データの取り扱いルール
個人情報や機密データを取り扱う際の基本的なルールを学び、データの漏洩や不正アクセスを防ぐ意識を持つようにします

AIや機械学習の理解:

全社員が詳細な技術を学ぶ必要はなく、「AIはどのようにビジネスに活かせるか?」を理解するレベルで十分です。

中級レベル
データ可視化ツールの活用:

Excelの上級機能や、Power BIやTableauといったデータ可視化ツールを使って、簡単なデータ分析やグラフ作成を学ぶ。


データリテラシー:

データの基本的な理解や、ビジネス判断にデータをどう使うかという基礎知識を習得。これは高度な分析よりも「データに基づいた考え方」を身につけることが重要。

専門的なスキル(特定の社員向け)

プロジェクトリーダーや分析担当者に対しては、PythonやR、AIの基礎などを学ばせる段階を設け、全体的なリーダーシップや技術的な実務を担えるように育成する。


このように 初級 → 中級 → 専門 くらいのレベルで分けて社員のスキルチェックをすることをお勧めします。

ステップ3:具体的なスキルアッププログラムの設計

DX人材育成には、段階的なスキルアップが重要です。
どのようなプログラムを導入するか、具体的な内容をチェックしていきます。

チェック項目:各スキルレベルに応じた研修プログラムが準備されているか

ポイント→ 上記のレベルチェックを行うことで自ずと次にどのようなスキルを身につけていくべきかがわかります。


また、実際本当にDXスキルが身につくためには、仕事でそのスキルを使いながら習得していくことが一番の近道です。

逆にいうと、仕事で使わなければせっかく習ったスキルも忘れてしまうものです。

新しいスキルを使うのは始めは時間も手間もかかりますが、慣れるしかない、というマインドセットの教育もDX人材の育成には必要です。

ステップ4:部門を超えたチーム構築ができているか

DXは全社的な取り組みです。各部門の社員が一体となって取り組める環境を整備することが鍵となります。

チェック項目1:部門横断チームが組織されているか

ポイント→現実的には部門横断チームを構築する際に、参加する部門が開発やマーケティングなどに限られるケースが多いです。

このような場合、チームを全社的に広げる必要はなく、必要な部門から代表者を選出し、小規模で始めるのが現実的です。
また、関与部門を絞り込むことで、スピーディーに動くことも可能です。

主要部門からの代表者が選出されているか
開発やマーケティングといったDX推進に直結する部門から、適切な担当者がチームに参加しているかを確認します。

部門間での協力体制がスムーズに進むよう、意思決定権を持つリーダーシップ層も含めると効果的です。

チェック項目2:定期的なミーティングと情報共有の場が設定されているか


関係部門が限られている場合でも、定期的なミーティングを設定し、プロジェクト進捗や課題を共有することが重要です。

また、情報共有のツールやプラットフォームを導入し、関与者全員がアクセスできるようにします。


*他部門からのフィードバックループが確立されているか
必要に応じて他部門からのフィードバックを得られる体制を整備し、意見や要望をプロジェクトに反映する仕組みがあるかどうかを確認します。

例えば、必要に応じてサポート部門や営業部門などからのインプットを求める場を設けるとよいでしょう。

ステップ5  KPI やプロジェクト成果に対するフィードバック

チェック項目1:KPIや目標の達成状況が定期的に報告されているか


達成状況を定期的(例:週次、月次、四半期ごと)に確認し、進捗を報告する仕組みがあるかどうかを確認します。これにより、進捗の遅れや課題を早期に発見できます。


チェック項目2:KPIを測定するためのツールが導入されているか


KPIや目標の進捗を追跡するためのツールやシステム(例:ダッシュボード、BIツール、プロジェクト管理ツールなど)が導入されており、誰でもアクセスできるようになっているかを確認します。

チェック項目3:KPIや目標が必要に応じて見直されているか


プロジェクトの進行状況や外部環境の変化に応じて、KPIや目標が適宜見直されているかどうかを確認します。達成困難な目標や、逆に達成が容易すぎる目標が設定された場合、適切な修正が行われているかを評価します。

チェック項目4:プロジェクト後の評価や次のステップが定められているか


プロジェクトが完了した後、その成果が適切に評価され、次のステップ(新たなプロジェクトやさらなるスキル育成)が計画されているかを確認します。

以上がDX化及びDX人材育成の流れをチェック項目でした。


1つ1つは小さなチェック項目かもしれませんが、それが全て積み重なり全社あげてのDXへ
の取り組みになります。

ぜひ、1つ1つチェック項目と御社の現状を照らし合わせてみましょう。


また、全活動を通して欠かせないことが「円滑なコミュニケーション」です。
これなしには、各ポイントごとで必要な意思疎通ができません。
また、とても効率が悪くなってしまいます。


・情報を伝える際の齟齬(そご)がない
・目標に向かって取り組むチームワーク
・それぞれの情報を整理してわかりやすく伝える
・目標達成を阻害する原因を探る
などDX化は円滑なコミュニケーションがあってこそなのです。

そこで、これらのことを全て実現できるのがロジカル・コミュニケーションです。
ロジカル・コミュニケーションは
・わかりやすく伝えることができる
・正確に伝えることができる
・現状を整理し、把握できる

そのようなことが可能である、DXを下支えするスキルなのです。
もし、ご興味があればこちらをご覧ください。

ビジネスで必須のスキル ロジカル・コミュニケーションとは何か?

ロジカル・コミュニケーションのスキルを身につけ、そして上記に挙げたチェック項目をクリアしていくことで、効率よく、最速で御社のDXが実現されることでしょう。

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