たった3つのコツで「ロジカルな話し方」ができる!
コミュニケーションで悩んでいる方って意外と多いです。
「あがり症で人前だとうまく話せない」
「話をしているうちに、どんどん長くなり自分でも何を言っているのか、わからなくなる」
「気づくと話が飛んでしまっている」
「なんだか会話が噛み合わない」
こんなお悩みをよく聞きます。
でも、こんなふうに本人が悩むくらい自覚がある場合にはいいのですが・・・
「部下が伝えた通りに全然動いてくれない・・・」
と部下のせいにしている上司がいますが、その場合「伝え方」が悪いケースがほとんどです。
あまり大きな声では言えないのですが・・・
先日、私がある方とお話しをしていたのですが、全然会話が噛み合わないのです・・・
私が話の途中で
「○○の件については、数はいくつなのでしょうか」
と質問をすると
「昔さ、勤めたいた会社にいた時の大物たちは大抵こんなふうにやっていたよ。」
と返ってきたり
「そのとき、〇〇さんはどうされたのですか」
と質問しても
「私は毎日営業で忙しいから、なかなか時間が取れなくてね」
と見事に違う方向にボールが返ってきます。
これはわざと答えていないのか?
そして、びっくりしたのが
オレ、コミュニケーション得意だから
・・・・・
こんなふうに自分でも会話が噛み合っていないことを、なかなか自覚できないのがコミュニケーションの難しさですね。
そこで、伝える側も聞く側も身につけたいのが「ロジカルな話し方」です。
話すことに自信のない方もそうです。
というか、口下手な方こそ「ロジカルな話し方」を身につければ、きっとそこから自信が生まれてくるはず。
「ロジカルな話し方」は、スキルなのでメンタル的なところにはアプローチしません。
メンタルを変えていこうと思うとなかなか大変です。
しかし、まずスキルを身につけ、それを高めていけば、自信が生まれメンタルの方も変わっていくことができます。
ですから、実は「あがり症」とか「口下手」などで悩んでいる人は、この「わかりやすい話し方」のスキルを身につけた方が、手っ取り早く悩みを解決できると思います。
ロジカルな話し方というは=わかりやすい話し方です。
わかりやすい話し方ができると、色々な場面で相当トクをします!
ざっと挙げるだけでも・・・
・簡単に話をまとめられる
・相手に正確に伝え、理解してもらえる
・会話がスムーズに続けられる
・コミュニケーションに自信が持てるようになる
・頭が良く見える → モテる・・・かもしれない?!
・説得力のある話し方になる
・相手から信頼を得られる
・プレゼンがうまくいく
・交渉がうまくいく
・話のポイントを整理できる
・・・ちょっと思い浮かぶだけでこれだけです。
わかりやすい話し方ができて、コミュニケーションがスムーズにいくと本当に人生トクをするのです!
こんなふうに、人生においても仕事においても、とても重要な「コミュニケーション力」なのに、私たちは学校でも家庭でも全く習ったりしませんね。
そして、このコミュニケーション力で悩み、それを身につけようと思っても今のところ自力でするしかありません。
しかし、
・何から始めたらいいのかわからない
・どうやったらいいのかわからない
と、ここでもまた悩んでいる方が多いようです。
私は早稲田大学の大学院でコミュニケーションの授業「ロジカル・コミュニケーション®」を教えさせていただいています。
みなさん、相当優秀な学生さんなのですが
「コミュニケーションってこんな大事なことだとは思わなかった」
「もっと早くに習いたかった」
と口々におっしゃいます。
そして
「大学の先生にも、このロジカル・コミュニケーションの授業を受けてもらいたい」と。 笑
これまで様々な企業の研修でもこのロジカル・コミュニケーションを教えさせていただきましたが、エリートの方達も
「コミュニケーションを習うとここまで変わるものなのだ」といつも驚いています。
本当に私たち日本人は、「コミュニケーションについての教育」がとても遅れている、と言わざるおえません。
だからこそ、まずは「わかりやすい話し方」から学んでいった方がいいのです。
なぜなら、「わかりやす話し方」を身につけるのはとても簡単だからです。
コミュニケーションスキル習得の最初のステップとしては、とてもいいと思います。
では、とてもシンプルで、誰でも身につける「わかりやすい話し方」をご紹介しましょう。
まず、そもそも「なぜ、話がわかりづらくなってしまうのか」という問題点から見直してみましょう。
これは、お医者さんの診断と同じです。
「体のどの部分に問題があるか」を発見、分析し、それに対して処方箋を出していきます。
ですから、話の問題点を分析し、それに対する処方箋を紹介していきましょう。
まず、話がわかりづらく、通じない一番の原因は「思いつくままに話してしまう」ということがあります。
実は、私たちは日常思いつくままに話をして、全く通じてないということがほとんどなのです。
一説には、私たちは話していることの20%しか通じていないとも言われています。
・ちゃんと伝えたはずなのに部下が全然思い通り動いてくれない。
・確認を取ったのに、コミュニケーションミスが起きている。
・2回も説明したのに、勘違いされた
・
・
・
こんな経験はありませんか?
これはお互いに通じていないのに「わかり合ったつもり」になってしまっているケースがほとんどです。
私たちが話が通じないのは、思いつくままに話し、お互いわかったつもりになっているからです。
そうなりやすい理由としては、私たち日本人のコミュニケーション環境に理由があります。
「コンテクスト」って聞いたことありますか?
これはだいたいの人には聞き慣れない言葉かもしれません。
コンテクストというのはここでは、コミュニケーションの基盤のことを言っています。
これはコミュニケーションの土台になっているもののことなので、例えば、言葉がありますよね。
日本語と英語、日本語と中国語、言葉が違うと、当然コミュニケーションの基盤が違います。
あとは、経験とかも、そうですね。
小さい頃から知っている家族同士とか、長年の友達とか、ずっと一緒にいる同僚とかは
一緒にした経験がたくさんあるので、コミュニケーション基盤をたくさん共有している。
そうなるとあ・うんの呼吸で通じてしまいます。
息が合うというか・・・。
以心伝心みたいな会話ができてしまう。
逆に、初対面の人同士とか同じ同僚だったとしても昨日入社した新入社員の人とは、
経験を共有していないので、話がなかなか通じにくいです。
そして、このコミュニケーションの基盤をたくさん共有しているのをハイコンテクストと言います。
つまり、同じ経験や価値観をたくさん持っているとハイコンテクストとなります。ハイとはhight (高い)のこと。
だから、生まれた頃から知っている家族とか長い付き合いのある友達とか、同僚とかそんな人同士はハイコンテクストとなります。
反対にローコンテクスト(low)とはその逆ですね、経験や価値観などであまり共通項が少ない人。
初対面の人同士はそうですよね。また、同じ同僚だったとしても昨日入社した新入社員の人とはローコンテクストとなります。
そんな人とは、たくさんコミュニケーションを取って、言葉でたくさん説明しながら話をしないと通じないです。
図に書くと、こんな感じです。
コンテクストをたくさん共有しているほど、言語に依存するのが少ない。(ハイコンテクスト)
コンテクストを少ししか共有していないと、言語にたくさん依存している。(ローコンテクスト)
になるってわけです。
つまり、家族とか親しい友達とか同僚などはハイコンテクストな間柄。
詳しく説明しなくても、通じ合ってしまう間柄なんです。
だから、話がいくら飛んでいても、分からなくても「分かり合える」コミュニケーションになってしまうのです。(分かり合える気になった・・・というべきか)
これは、ごくごく自然なことなのです。
ハイコンテクストな間柄(例えば家族とかずっと一緒に仕事をしている同僚とか長年の友達とか)とはコミュニケーションをとる時にはいちいち言わなくてもいいし、とても楽です。
ハイコンテクストは、ある意味省エネなコミュニケーションです。
しかし、コンテクストが違う相手に話をする時には気をつけなければいけません。
そんな相手に通じるという前提で話してしまうと、
・話がダラダラ続いて、結論がわからなかったり
・話がどんどん飛んでついていけなかったり
・単語だけ言っていてなんのことかわからなかったり・・・と、
全然通じなくなってしまうからです。
長くなったので一旦まとめます
・コンテクストとはコミュニケーションの時に共通する、言語や経験、価値観などのこと
・コンテクストをたくさん共有しているのをハイコンテクストという
・ハイコンテクストは通じやすい状態
・ハイコンテクストが前提で話すと、コンテクストが違う相手には通じにくくなってします。
では、私たちハイコンテクストな日本人がすぐにできる「わかりやすい話し方」の3ステップをご紹介します。
これは「ロジカル・コミュニケーション®」のテクニックと呼んでいて、これまで多くのロジカル・コミュニケーション研修でご伝授してきたものです。
「ロジカル・コミュニケーション®」のテクニック
ステップ1 話の内容を大きく分ける
ステップ2 分けた情報に「ラベル」をはる
ステップ3 「ラベル」で予告する
これだけです。
では、具体的にみていきましょう。
新人の営業トレーニングですが新人とはいえなるべく早い時期から独り立ちしてほしいですし、トレーニング時間もそれほどかけられません。
ですから、プランをしっかり立て効率よく進めていただきたいと思います。
仕事は慣れることも大切ですので、それには多くの体験が必要です。
だから初期の段階では体験させることをベースに考えてます。
それが済んだら、実際の具体的な作業に落とし込んでいきたいと思います。
もちろん、仕事上の知識を学ぶ時間もしっかりとっていきたいと思います。
それらも、学んだ後には具体的な業務に落とし込みます。
これは、一見わかるようで、実は頭に残りません。
なぜなら、話はあれこれ混ざってしまっているからです。
実は、一見わかるというのが落とし穴。
「わかったような気」になってしまうのです。
それを避けるために、最初に一番伝えたいことを伝える、そして、正確に、確実に伝えていく必要があります。
ステップ1 話の内容を大きく分ける
この内容で「話すべきポイントはいくつなのか」を考えてみましょう。
1 新人のトレーニングについて
2 早く独り立ちしてほしい
3 トレーニングの時間もかけられない
4 プランを効率よく進めたい
5 初期段階では体験させる
6 具体的な作業に落とし込んでいきたい
7 仕事上の知識を学ぶ時間もしっかりとっていきたい
この中で、なるべくポイント数を減らせるよう、同じカテゴリーでまとめられるところはまとめます。
2、3、4は新人トレーニングを行う時の条件として1つのカテゴリーになります。
トレーニング初期段階の種類としては「5 初期段階では体験させる」と「7 仕事上の知識を学ぶ時間もしっかりとっていきたい」に分けます。
そして、それぞれ「6 具体的な作業に落とし込んでいきたい」が次の段階(第2段階)にあります。
こんなふうに ステップ1 話の内容を大きく分けることをした後、
ステップ2 分けた情報に「ラベル」をはる
をします。
第1グループには「新人トレーニングを行う時の条件」
第2グループには「初期段階で行うこと」
第3グループには「第2段階で行うこと」
とラベルを貼ります。
そして、これを
ステップ3 「ラベル」で予告する
「今後の新人営業トレーニングプランを効果的に行うために、取り組むべき内容を『トレーニングを行う時の条件』『第一段階』と『第二段階』に分けて説明します。」
これが予告です。
これをすると話し始めだけで、聞いている方は話の全体像がわかり「理解する準備」ができるようになるのです。
今後の新人営業トレーニングプランを効果的に行うために、『トレーニングを行う時の条件』『第一段階』と『第二段階』に分けて説明します。
条件としては、早く独り立できるよう、しかし、トレーニングの時間もかけられないので、効率よく進めたいです。
具体的には、
第一段階では実際に体験させることと商品知識を身につけさせることをします。
第二段階では体験させることと学習したことそれぞれの具体的な作業に落とし込んでいきます。
いかがでしょうか?
最初とずい分印象が違うのではないでしょうか。
これが誰でもできる「わかりやすい話し方」=ロジカル・コミュニケーション®のテクニックです。
これで、相手に正しく自分の伝えたいことを伝え、コミュニケーションミスを減らすことができます。
つまり、冒頭に挙げた、「わかりやす話し方」でトクすることを手に入れることができるのです。
たったこれだけです。今日から実践できる方法です。
コミュニケーションとは、とても幅広く色々な要素があります。
もちろん、コミュニケーションがうまくいくためには人間性も大きく関わってきますね。
嫌な感じの人とはコミュニケーションとりたくなくなりますから。
しかし・・・
いい人がいい話をしても「伝わらなければ」その価値が他の人には分かりません。
実は「伝え方」「わかりやすさ」はとても重要な要素なのです。
ぜひ、このシンプルなロジカル・コミュニケーション®の3ステップであなたの伝えたいことをわかりやすく伝えてみてください。
きっと、コミュニケーションがスムーズに、そして、楽しくできるようになっているはずです。
「ロジカル・コミュニケーション®」のテクニック
ステップ1 話の内容を大きく分ける
ステップ2 分けた情報に「ラベル」をはる
ステップ3 「ラベル」で予告する