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ロジカル・ライティング:わかりやすい文章のコツとは?

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一般社団法人コミュニケーションマイスター協会理事/ 元早稲田大学非常勤講師/ CU代表  これまで大手企業や大学などで、ロジカル・コミュニケーション、対人対応、ビジネス英語、ライティング研修などを約5000人に指導してきた。
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ロジカル・ライティングとは

私はロジカル・コミュニケーションと同時にロジカル・ライティングも教えています。
(主に法人向けの研修です)
そして、「ロジカル・ライティング」という書籍も共著で出版しています。

ロジカル・ライティング 安田正・上原千友著(日本実業出版社)

今、ビジネスではメールは欠かせませんし、その他資料やプレゼンテーションのパワーポイントなども
ビジネスのスキルとしては必須です。

ですから、ロジカル・ライティング=わかりやすい文書 作成力はとても必要とされています。

そこで、今回は ロジカル・ライティング=わかりやすい文書作成のコツについてご紹介しましょう。

わかりやすい文章作成のコツは大きく2つです。

1 伝えたい情報を整理する
2 基本的な文章のルールを理解する
です。

コツ1 伝えたい情報を整理する

まず、1 伝えたい情報を整理するですがこれはロジカルコミュニケーションのテクニックと全く同じです。

「わかりやすさ」はとにかく情報を整理することから始まります。
これは話すことも書くことも一緒です。

この部分をしっかりできれば、「わかりやすい話し方」と「わかりやすい書き方」を両方手に入れることができます。

では、例を示して「伝えたい情報を整理する」をしてみましょう。

例えば、こんな部下からの報告メールは、わかりやすいでしょうか?

改善前メール
件名:ご報告
○○部長
お疲れ様です。

昨日打ち合わせに行ってきた A 社で 、値段についてはもちろん価格交渉したんですが、ちょっと値下げはちょっと難しいらしく「そのままね」と言われてしまいました。

また、分納だったら8月5日で一回で前納するようであれば、9月になってしまうという話です。

確認していただいてもよろしいでしょうか。

それで、それが終わったら部内全員に共有しようと思います。
よろしくお願いします。

「ダラダラ長くて、何を伝えたいの?」という感じですね。
また、
「普通ここまで酷くないでしょう」
と思うかもしれません。

いえいえ、それが本当にこのような「ダラダラ文」は他人からもらった時には、「ひどい・・」と思えるのですが、自分の文章ではなかなか気づけないのが現状です。

これは案外、あるあるです。

では、これを情報整理してみます。

やり方は、言いたいポイントだけをピックアップし、簡潔に箇条書きしてみる。
これだけで文章が一変します。

改善後メール
件名:A社についてのご相談
○○部長
お疲れ様です。
A社の案件について2点ご確認いただけますでしょうか
1 値段について
・値下げ交渉は難しいとのことです。

2 納期について
・2回分納だったら8月5日。一回で前納するようであれば、9月になってしまうとのことです。

以上ご確認いただけましたら、部内全員に共有いたします。

どちらがわかりやすいかは、一目瞭然ですね。

つまり、わかりやすい文章とはこんなふうに整理することなのです。

情報の整理をする時に気をつけること

上記したように、情報を整理する際に気をつけることは、伝えたいポイントを絞ることです。

そのためには、「伝えたい内容をいくつになるか?」考えてみてください。

そして、「なるべく大きいグループに分けてみる」ようにもしてみましょう。
あまり細かく分けてしまうと、グルーピングしている意味がなくなってしまいます。
ですから、同じ仲間の情報を探し、それらを一括りにできる言葉を探してみることです。

上の改善前の例でいうと・・・

「分納だったら8月5日で一回で前納するようであれば、9月になってしまうという話です。」は「納期」についてです。
このように一括りにできる言葉を探します。

これは文章にする場合には、文章を書いて「この言葉だったらわかりやすいかな?」と修正できるので何度か確かめてみるとよいでしょう。

コツ2 文章のルールとは

もう一つのコツは文章のルールを理解することです。

文章のルールはもちろんたくさんあるのですが、特に厳選して「わかりやすい文章作成のゴールデンルール12」をピックアップしました。

やさしい文章を書くルール
1 主語と述語近づける
2 修飾語と被修飾語関係をはっきりさせる
3 効果的に接続詞を使う
4 理解しやすい構成にする
5 語尾を統一する

簡潔な文章を書くルール
6 一文を短くする
7 一文一義
8 「の」連続使用は2回まで

正確な文章を書くルール
9 正しい敬語を使う
10 事実と推測を区別する
11 適切な指示代名詞を使う
12 二重否定を避けるロジカル・ライティングより

例 二重否定を避ける

1 彼の意見は正しくないわけではない
2 条件によっては、その案が通らないこともない

このような二重否定は意味が通じにくくなってしまいます。

【二重否定を避けるためのルール】

二重否定は「〜できる」「〜する」などの肯定的な文章にする

1 彼の意見は正しい

2 条件によっては、その案が通るだろう

ロジカル・ライティングより

 

それぞれの説明は省きますが、これらのルールは私たちが普段文章を書く時に意外と無意識にやっているルールです。

また、間違って覚えてしまっているものもあります。

企業研修の際によく聞く話なのですが、「先輩社員の人にメールの文章を直されたが、実はその先輩の文章ルールが間違っていた・・・」です。

そうなのです、実際私たちは学校や大学で「ビジネス文書作成」の方法を学べません。

ですから、会社に入って先輩の間違った文章ルールを覚えてしまって、また、その間違ったルールを後輩に教える・・・などということがよくあります。

ですから、一度基本的な正しいルールを学ぶ必要があるのです。

なぜなら、「わかりにくい文書」は大きなミスコミュニケーションを生み出すもとになりかねないからです。

ぜひ、ロジカルコミュニケーションとともにロジカルライティングもマスターしてみてくださいね。

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一般社団法人コミュニケーションマイスター協会理事/ 元早稲田大学非常勤講師/ CU代表  これまで大手企業や大学などで、ロジカル・コミュニケーション、対人対応、ビジネス英語、ライティング研修などを約5000人に指導してきた。
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